ウイスキーマガジン・ライヴ!
2000

2000年10月22日(日)
午後6:00〜9:00


青山ダイヤモンドホール

ダイヤモンドルーム(ウイスキー・フォーラム)
エメラルドルーム(展示・試飲会)
 
●司 会
土屋 守(ウイスキー評論家、写真家)

●講 師
マイケル・ジャクソン(ウイスキー評論家、ビアハンター)
ジム・マーレイ(ウイスキー評論家)
リチャード・パターソン(JBB(グレーターヨーロッパ)マスターブレンダー)
ハロルド・カリー(アラン蒸溜所創設者)

●来 賓
マシュー・ルース(英国大使館 商務部一等書記官)

●出席者
デミアン・ライリー・スミス(ザ・ウイスキー・パブリッシング・カンパニー社長)
マーチン・ミラー(ウイスキーマガジン編集長)
デービッド・クロール(株式会社ウィスク・イーCEO)

●第1部 ウイスキー・フォーラム

ウイスキーマガジンライブ!は、98年に創刊された英国のウイスキー専門誌、「ウイスキーマガジン」の日本での販売を記念して、ウイスキーパブリッシングカンパニーと日本総代理店の有限会社ウィスク・イーの共催で行われた、日本初のウイスキー・イベントです。
当初講師にマイケル・ジャクソン氏を招いて単独のテイスティングセミナーを行う予定でしたが、同じくマガジン誌上でテイスティング・コメントを掲載しているジム・マーレイ氏も参加を表明。更にホワイトマッカイのマスターブレンダー、リチャード・パターソン氏、アラン蒸溜所のハロルド・カリーも参加。と言うことで、これだけのビッグネームをまとめられるのは日本を代表するウイスキー評論家の土屋さんしかいないと言うことで、急遽土屋氏に司会をお願いすることとなりました。
また、定員も当初300名を予定しておりましたが、あまりの応募の多さに定員を200名増強。それでも足りずに最後の1週間は、断りどうしでした。来場できなかった方申し訳ございませんでした。


司会の土屋守氏
とりあえず、恒例の挨拶なぞ。英国大使館より、マシュー・ルース氏、ウイスキーマガジンより、社長のデミアン・ライリースミス氏のご挨拶に続いてウィスク・イーの社長デービッド・クロールが挨拶。場内は、しーんと静まり返って会場の前面に居並ぶウイスキー評論家たちの顔を見ながら、どんな話が聞けるのか緊張しながら待ちわびていると言った感じ。進行を早めようと思ってかどうかは、解らないが、普段から早口のクロール社長が、更にいつもの2倍速でしゃべってました。

挨拶する
デービッド・クロール
CEO
そして、いよいよ、マイケル・ジャクソン氏の登場です。私がマイケル・ジャクソンです。歌や踊りはしません。この一言で一気に会場の全員を引き寄せた後は、独特の口調で語りかけるジャクソン氏。彼がモルトを一番最初に飲んだのは、グラスゴーで新聞記者をしていた18歳の頃だとか。ウイスキーは好きじゃないとスコットランドの友人に言ったところ、それは、君が本当のウイスキーを飲んだことが無いからだと言い返され、奨められたモルトがグレン・グラントの12年もの。当時は、グラスゴーにおいてさえシングル・モルト・ウイスキーは珍しいもので、その時初めてジャクソン氏は、シングル・モルト・ウイスキーに出会い、以来シングル・モルト・ウイスキーの世界にのめり込んで行ったという。このような話をしている間、会場では4種のウイスキーと水を入れた試飲カップが会場の皆さんに配られました。

マイケル・ジャクソン氏
ウイスキーがみんなに行き渡ったところで、アラン蒸溜所のハロルド・カリー氏がアラン蒸溜所について説明。彼は、シーバス社の代表取締役をした後、70歳にしてアラン蒸溜所を設立。きっかけは、グラスゴー・アランの会という集まりで、160年前、アラン島のウイスキーは、スコットランド最も素晴らしいウイスキーの一つであったと言うことを聞いた事だそうです。160年前に存在した蒸溜所は、アラン島の南側にあったようですが、その場所はその後、農業がさかんになり、畑に農薬や肥料を撒いてしまった為、既にその水はウイスキー造りには適さない水になっていました。そして調査の結果、現在の場所であるロックランザを選びました。その場所を選んだ理由は、花崗岩の岩肌を抜けピートの層をくぐり抜けた柔らかいウイスキー造りに最適な水があったからです。ライブの数週間前、マイケル・ジャクソン氏といっしょに地質学者がアラン蒸溜所を訪れましたのだが、その調査の結果、地質学的にもアラン蒸溜所の立地はウイスキー造りに最適との裏づけがなされました。
アランのウイスキーは、熟成が早いと言われているが、これに対しては、ジム・マーレイ氏がある雑誌で調査をしており、その結果によると、アラン島のウイスキーの熟成が早いのは、アラン島の微気候によるものだとのこと。
今回テイスティングするザ・アラン・モルト2000(アラン2000)は、シェリー樽熟成の限定版。昨年発売されたウイスキーの続編。95年(初年度)に蒸溜された樽を厳選しました。

ハロルド・カリー氏

ここでマイケル・ジャクソン氏がアラン2000についてコメント。
リッチでクリーミーなウイスキーであり、これはアラン蒸溜所の小さくてずんぐりとしたスティルの形によるもの。 クリーミーさスモーキーさピーティーさが一体となっている。しかし、ピーティーさは、非常に微かなもの。シェリー樽由来のナッツ香があり、とてもわずかだが海の香りがする。これは、蒸溜所が海からほんのわずかなところに位置していることによるもの。

 
そして、次はマイケル・ジャクソン氏によるモルト・ウイスキークイズ。 全員が起立し、ウイスキーをテイスティング。そして、ジャクソン氏が出すいろいろな質問に答え、不正解になった人は着席するというもの。質問は、アイリッシュか?ジャパニーズか?ニュージーランドのウイスキーか?スコッチか?バッテッドか?シングル・モルトか?アイラ?ハイランド?ローランド?キャンベルタウン?21年?15年?10年?ロングロー?と次々と質問が浴びせられ、正解者がちょうど5名となったところで終了。5名の正解者にはライブ!出席者全員のサイン入りウイスキーマガジンがプレゼントされました。正解は、スプリングバンク10年でした。5名の正解者の方おめでとうございます。

ウイスキー・クイズ
5名の正解者
3番目は、JBBグレーター・ヨーロッパのリチャード・パターソン氏。ダルモアについて。1839年設立。真のハイランドモルト、ダルモア12年は12〜18年のモルト・ウイスキーをヴァッティング。樽はアメリカンホワイトオークを70%にオロロッソ・シェリーを30%使用しているが、オロロッソの樽は最低15年使用していた樽のみを使っているとのこと。
次にテイスティングについて。ウイスキーをテイスティングする時にはウイスキーの魂と情熱を感じてほしいとのこと。テイスティングには、コピタと呼ばれるノージング・グラスを使います。ウイスキーを注いだら、グラスの縁にまんべんなくウイスキーが行き渡るようグラスをまわす。(と言いながら激しくグラスをまわしてウイスキーをこぼす。 ) そして、水を入れてアルコール度数を38度くらいにまで下げます。(と言いながら水さしの水を勢いよくこぼす。)それから、グラスに鼻をさし込んで、香りを嗅ぎます。(ハロー、ハウアーユーとか言いながら香りを嗅ぐ)とまぁ、こんな具合です。最後の挨拶の部分をバーでする事は奨めないと言っておりました。
ダルモアは26のニュアンスを持っており、それらの内のいくつかはオレンジ、 スパイス、マーマレード、ホットチョコレートのように感じられる。それから、口に含む時は12年物なので、最低12秒は口に入れてフレーバーが口一杯に広がるのを感じてほしいとのこと。それから、氷を入れてはいけません。バーにもし氷が置いてあったら、こんなものいらないと言って捨ててしまいましょう。(と言いつつバケツの氷を全部ぶちまける)
ダルモアは、食後酒として飲むことをお薦めします。食事の後、緑茶やコーヒーを飲んで 口を温めてからダルモアを飲む。それに、ビターチョコレートを用意して、ビターチョコレートと一緒にダルモアを飲むとなお良い。緑茶、コーヒー、チョコレートの味がダルモアと一体となって最高だそうです。(これは、マジかな?)
最後に付け加えておきますが、床にぶちまけたかに見えた水や氷は下に用意していたバケツめがけて行いましたので、全部ぶちまけた訳ではありません。(しかし、言ってくれれば、もっと大きなバケツを用意しておいたのに...)

リチャード・
パターソン氏
マイケル・ジャクソン氏のダルモアのコメント。
芳醇。オレンジやビターチョコレートの香り。微かにチョコレート。パターソンさんの言う通り、チョコレートとあわせて飲むのが良い。
 
最後がジム・マーレイ氏。4番目のウイスキーはアードベッグ。彼がこの業界に入るきっかけになったのは、25年前。17歳の時だとか。タリスカー蒸溜所に行ってタリスカーを飲んだ時、タリスカーに恋をしました。それから6年間、タリスカーと付き合って来たが、愛は永遠ではなく、アイラ島に行った時新しい恋人、アードベッグに出会ったとの事。それ以来アードベッグを愛していると言ってました。ウイスキーには、魂と情熱があるが、本物の魂と情熱を持っている蒸溜所はほんの一握りしかなく、なかでもアードベッグは世界最高の蒸溜所の一つ。この蒸溜所を復活させたグレンモーレンジに感謝している。
マーレイ氏のアードベッグのコメント。スモーキーでサテンの舌触り。苦みと甘味を両方持ち、辛さと甘さも両方持っている。ピートが波のように口の中に打ち寄せ、波の形に変化があり、バランスがとても心地よい。 アードベッグは、お気に入りの蒸溜所であり、おそらく世界で1番と言って良い。

ジム・マーレイ氏
ジャクソン氏のコメント。
スモーキー、塩味、フルーティー。微かにジム・マーレイの香り(会場爆笑) マーレイ氏がアードベッグについて世界1の蒸溜所とコメントしたのに対し、ジャクソン氏は、以前最高のシングル・モルトと言う題である雑誌に記事を書いたエピソードを披露。その中には、最高のシングル・モルトは書かなかったそうです。なぜか?最高のシングル・モルトがあったら自分たちの仕事が無くなるから(爆)。今でも最高のシングルモルトを探しているそうです。
 
最後が質問コーナー。時間の関係で2つの質問に応えて頂きました。
1)ウイスキー評論家に必要な資質は?
ジャクソン氏>強い肝臓
マーレイ氏>長い髭と髪、よれよれのジャケット(笑)。真面目に答えて、特別な資質は必要は無い。ウイスキー評論家になりたいと言う強い気持ちを持ちつづけること。最後に、マイケルも私もタバコは吸いません。
 
2)オールドボトルと原行ボトルの味の違いについて
パターソン氏>古いものより現在の物の品質が劣っていると言う趣旨の質問であれば馬鹿げている。日本の消費者は、常に最高の品質をうるさく求めてきており、我々は常々それに応えて最高の品質のウイスキーを作っている。と言うことでした。
 

●第2部 試飲・展示会
スコッチやバーボンの垣根を超えたイベントだけに非常にたくさんのメーカーの協力を得ることができ、会場は、大変な盛り上がりを見せました。
ジャズミュージックが会場を盛り上げる。
(演奏:サンライズ・ジャパン)
 
人で一杯の会場
 
バグパイプの音が響き渡る。
(演奏:茂木毅)

●参加企業、及び出展ブランド(アイウエオ順、敬称略)
会社名
出展ブランド
【メーカー・インポーター】
(株)アラン・ジャパン ザ・アラン・モルト、ロイヤルアイランド17年・21年・30年、ロックランザ、シングル・カスク・コレクション、ニューポット
(有)ウィスク・イー ウイスキーマガジン
木下インターナショナル(株) スプリングバンク10年・21年・30年
キリンシーグラム(株) ロイヤルサルート、シーバスリーガル12年・18年、ザ・グレンリベット12年・18年
国分 (株) グレンモーレンジ・ウッドフィニッシュ、グレンマレイ12年、アードベッグ10年、バーボンデラックス、オールドフィッツジェラルド12年・1849
サントリー(株) 響21年/響/山崎21年/山崎シェリーウッド1985/白州12年
サントリーアライド(株) バランタイン・ロイヤルブルー、ラフロイグ、スキャパ、グレンドロナック、カナディアンクラブ・ブラック・20年、ティーチャーズ、タラモアデュー
ジャーディンワインズ&スピリッツ オールドパー、ジョニーウォーカー1820スペシャルブレンド、ホワイトホース、クラシックモルト、ロイヤルハウスホールド、IWハーパー、タリスカー10年シンパッケージ
(株)ジャパンインポートシステム キングズバリー各種、ブルムズバリー各種、他ボトラーズブランド各種
スコッチモルト販売(株) エイジングモルトインザバレル、ミニキャスクコレクション、ディスティラリーコレクション
(株)天満商店 樽詰スコッチウイスキー「タプローズ8年・17年」、ザスコッチモルトウイスキーソサエティのシングルカスク12種類、シンジケート58/6
ニッカウヰスキー(株) シングルモルト余市15年、ブッカーズ、ベンネビス10年、新商品
廣屋インターナショナル インバーハウス、アンノック、ノックデュー、バルブレア、エズラブルックス、ワッセンズ
ペルノリカールジャパン(株) ワイルドターキー8年・15年・ライト・レアブリード・プルーフ40%、アベラワー10年・15年
マキシアム・ジャパン(株) ザフェイマスグラウス、ハイランドパーク、ダンヒルオールドマスター、オールドグランダッド
(株)明治屋本社 ホワイトマッカイ、ブッシュミルズ、メーカーズマーク
【専門酒販店】
荒井屋酒店(日本バーボンウイスキー普及協会)・(有)目白田中屋 スモールバッチバーボン、シングルバレルバーボン、ヴィンテージバーボン、ボトラーズバーボン各種
リカーズハセガワ ブラックアダー、サマローリー、クライスデール、カレドニアンコレクション、その他各種洋酒
酒専門店YOSHIDA ケーデンヘッド、マスターオブモルト、その他スコッチ、バーボン、アイリッシュ、カナディアンウイスキー等
【出版社】
小学館 モルトウイスキー・コンパニオン

●お土産
英国大使館:
ポストイット、ボールペン
ジャーディンワインズ&スピリッツ:
  ジョニーウォーカーミニチュア、I.Wハーパーミニブック、I.Wハーパー携帯ストラップ
ニッカ:
  竹鶴 12年ミニチュア
国 分:
  グレーンモーレンジ18年ミニチュア ピンバッジ
明治屋:
  ホワイトマッカイ・ブルーラベルミニチュア、ダルモア12年ミニチュア、メーカーズマークレッドトップミニチュア(3本の内どれか一本)
キリン:
  シーバスリーガル小冊子
ぺルノ・リカール:
  ワイルドターキーミニチュア入り携帯ケース、アベラワーミニガイドブック
サントリー・アライド:
  バランタインピンバッジ
サントリー:
  カクビンストラップ
アラン・ジャパン:
  木製コースター
ウイスキーマガジン:
  ノージングコース、ベストオブ1999小冊子

●後 援
英国大使館
日本バーボンウイスキー普及協会
英国スコッチウイスキー協会
社団法人日本バーテンダー協会
社団法人日本ホテルバーメンズ協会

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